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悪役令嬢、洗脳ではないことを示す
「洗脳?」
クイフは首をかしげた。
どうやら、洗脳のスキルを知らないようである。
「手に入れられていないなら、洗脳が上手くなっていない証拠になるのではないでしょうか?」
エリーがそう言うと、クイフの表情が少し明るくなった。
どうやら、希望が持てたようだ。
「まあ、私の話が信用できないというのなら、公爵様に聞いてみては如何ですの?きっと、クイフ様に洗脳をするよう言ったのですから、公爵様も洗脳できるんでしょう」
「そ、そうだね。聞いてみる」
エリーの提案に、クイフは頷いた。
その目は、少し前までとは違い、どこか輝きがある。
ーー良い感じね。これで、次期公爵組はある程度こちらに引き込めたかしら?
エリーは心の中でほくそ笑んだ。
すると、やはりというべきか。
《スキル『洗脳LV6』が『洗脳LV7』になりました》
《スキル『精神支配LV4』が『精神支配LV5』になりました》
洗脳のレベルが上がった。
ついでに、使ったことのない精神支配の方も上がっている。
ーー私、このまま行けば国を裏から操れそうな気がするんだけど。




