469/3881
悪役令嬢、洗脳ではないことを示そう
「い、いえいえ。お礼なんて必要ありませんよ。お3方が、誤解を解けたようで何よりですわ」
エリーはそう言って、ニコリと笑う。
3人も同じように笑みを浮かべた。
だが、1人だけ笑顔がどこか暗い。
ーーまあ、今までのことがあるし、罪悪感が残っているわよねぇ。
「クイフ様。何を悩んでおられるんですの?」
「え?あぁ。や、やっぱり変だったかな?………まだ、ターリルとガリドルの洗脳が続いているんじゃないかって、怖くなっちゃって」
「いや。俺たちは。」
クイフは暗い顔をしながら言う。
ターリルとガリドルは洗脳されていないと伝えようとするが、クイフとしては確証が持てていないと言った表情。
「そういえば、洗脳が成功すれば、洗脳というスキルが手に入ると聞いたことがあるのですが」
エリーは思い出したように言った。
あくまで、聞いたことがあるとしか言わない。
決して、自分が持っているとは言わないのだ。
ーー私の手札を見せるつもりはないわ。




