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悪役令嬢、間違った解釈で尊敬される
「な、なるほど。さすがはクラウン様」
「クラウン様は、どうやってこんな作戦を思いつかれたんだ?」
クラウンのモノたちは、口々にエリーを褒め称える。
が、エリーにとっては何のことか分からない話。
勝手にエリーの考えを想像して、勝手に尊敬しているだけ。
エリーがコレを聞いたら、頭を抱えたくなるようなことであった。
さて、ではそんなクラウンたちが頑張った成果がどうなっているのか。
民衆たちは、
「おい。毒龍とか言うのが、各地で暴れてたって聞いたんだけど」
「ああ。それ、私も聞いた。怖いわぁ」
「数十カ所を、昨日の夜に攻撃したんだろ?どれだけ人数がいるんだよ」
毒龍のことを話題にしていた。
民衆がこうなのだから、勿論やられた方も、
「おい。毒龍の奴らが本格的に攻撃してきやがったぞ」
「だが、潰されたのは小さいところだけ。大きいところはあまり被害がなかったらしい」
話題は毒龍で持ちきり。
作戦成功であった。




