悪役令嬢、間違った解釈をされる
「もっと大物を?」
半数は首をかしげた。
そして、もう半数はなんとなく理解した表情になる。
分からない半数のために、セカンドが解説を行う。
「そうだ。クラウン様も、俺たちと同じように毒龍の名前を高める作戦に出たんだ。俺たちの場合は、小さなアジトを狙って毒龍の仕業に見せかけたが、クラウン様は、それを大きな場所でやった。ただ、それだけの違いなのではないかと思う」
クラウンのメンバーが行ったこと。
それは、火傷蜥蜴のアジトを襲って、それを毒龍の仕業に見せかけることだった。
そうすることで、火傷蜥蜴は毒龍を更に警戒し、この国から手を引いていく。
というのが、クラウンの基本的な考え方。
「だが、クラウン様がやろうとしているのは、その逆。つまり、火傷蜥蜴を更にこの国へ入り込ませようとしているんだ。そのために、大きなアジトを少しだけ攻撃し、ちょっかいはかけられるが潰すほどの力はないと思わせた」
そこで、理解していなかったモノたちの頭に疑問が浮かぶ。
その疑問は、
「なんで、わざわざ毒龍をこちらへ来るように仕向ける必要があるんだ?」
「簡単だ。クラウンの目的は、この世界の闇を支配すること。決して、この国だけを支配するだけじゃない。そのために、まず、世界中で影響力を持つ火傷蜥蜴の先鋭を潰すことにした。だから、毒龍を潰すための先鋭が来るように仕向けたんだ」




