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悪役令嬢、連れて行く
「あなた、帰る場所はある?」
エリーは行く場所も含めて、少年の今後の予定を聞く。
だが、少年は静かに首を振るだけだった。
「家族は皆、殺された。帰る場所はもう、ない」
「そ、そう。悪いことを聞いたわね。……うぅ~ん。私は、あなたに居場所を作れないこともないわ」
「ほ、本当か!」
エリーの言葉に、少年は食いついた。
因みに居場所というのは、闇の組織である。
「ただ、そこはとても厳しい場所よ。1度入ってしまえば、後戻りはできないわ」
「構わない!盗賊だって、何だってやってやるよ!!」
その少年の言葉に、エリーはニッと笑った。
そして、強引に少年の手を掴み、
「えっ!?おわっ!!」
少年を抱きかかえた。
そして、そのまま走る。
「うわぁぁぁ!!!????」
とある町で、その日、とても素速い生き物が叫びながら走ったという。
さて、そんな素速い生き物は、5分もせずに目的地へ到着した。
「あぁ。ボス。来たのね。……ん?その子は?」




