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悪役令嬢、石を投げるのをやめる
「お、おう。凄いな」
エリーは呆気にとられながらも、先ほどの技を褒める。
石に魔力を込めて炎を鳥の形にするなど、なかなか素晴らしいと感心したのだ。
だが、今はハッキリ言ってそれどころではない。
ーー魔力の反応が薄くなってる!死にかけてるんじゃないかしら!?早く、助けにいかないと。
エリーは炎によって被害を受けたモノを心配し、川を越えようと跳んだ。
100もそれを追い駆けてくる。
「いた!」
エリーは生存者を見つけ出し、駆け寄った。
そこで、初めて、
ーーあれ?この人たち、盗賊っぽいわね。
と、気付いた。
「我ら毒龍に刃向かうなら、容赦はしない」
少し考えた後、エリーはそう言って、生き残りに軽い回復魔法をかけた。
毒龍と名乗ったのは、
ーー私たちクラウンは何も悪くないわ!悪いのは全部、毒龍よ!
責任を押しつけるためである。




