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悪役令嬢、貸しは消さない
「……なんとなく、話はつかめましたわ」
エリーは2人お話が終わり、納得した。
2人もクイフも、大変な思いをしていて、今の道以外が思いつかないのも理解できる。
「まあ、俺たちの状況はこんな所だ。どうか、理解してほしい」
「ええ。理解致しましたわ。ただ、」
ターリルの言葉にエリーは頷く。
だが、少し含んだように言葉を溜め、
「ただ、だからといって貸しが無くなるわけではありませんからね」
エリーはそういて微笑む。
2人は少し唖然とした表情をした後、笑い出した。
「ははっ!そうだなぁ」
「覚えておくよ。いつか返そう」
2人はエリーに借りを返すことを約束した。
しばらく笑った後、ガリドルが表情を真剣なモノに戻す。
「まあ、借りはいつか返すとして。今は君に注意して貰いたいことがあるんだ」
ーー注意すること。まあ、1つしかないわよねぇ。
エリーはなんとなく内容を察した。
「おそらくクイフは、君も洗脳しようとしてくるだろう」




