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悪役令嬢、たまには悪役らしく
「あらぁ?お具合が悪いんですの?そんなに顔を青くされちゃってぇ」
エリーはそう言いながら、笑みを浮かべる。
実に生き生きした表情。
まさに悪役といった感じの表情だ。
もちろん、悪役にこういうことをされると、主人公でなければ言い返せるわけもなく。
「そ、そんな」
「ど、どうすれば」
2人は絶望的な表情をした。
エリーはあくどく笑いながらも、視線をちらっとその親の方に移してみる。
ー-あの表情から察するに、そこまで損失があるわけでもなさそうね。
表情を見る限り、弁償に関しては何も思っていなそうである。
ー-さすがは公爵家といったところね。
エリーは素直に、公爵家の財力に感心した。
ということで、エリーは別の切り口から攻めてみることにした。
「まあ、あなた方が払えないというのなら、貸しにしてもかまいませんわよ」
「「貸し?」」




