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悪役令嬢、仲裁が効果を発揮しない
「てめぇ!!!」
「ばぁか!!」
なんとも低レベルな争いが繰り広げられている。
まあ、子供の喧嘩なんてこんなモノ。
エリーには、その様子が子供らしくてかわいらしく思えた。
微笑みながらそれを眺めていると、エリーは周りからの視線に気付いた。
その視線は、エリーの両親や、他の3人の公爵たちのモノ。
エリーはその視線を受けて、そろそろ喧嘩の仲裁に入るべきだと考えた。
「お2人とも、そろそろおやめ下さい。人が集まってきていますよ」
「あ?関係ねぇ!」
「丁度良いさ!!ターリルの負ける無様な姿を、大勢にさらしてやるよ!!」
エリーの言葉を2人とも大して気にした様子はなく、喧嘩を続けた。
途中から取っ組み合った2人はバランスを崩し、
「「うおぉっ!?」」
ドシャッ!
花の上に崩れ落ちる。
それによって、数名の大人の視線が変わったことをエリーは感じ取った。
ーー何か雰囲気が変わったわね。……って、あの花!




