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悪役令嬢、実際の所を尋ねる
大量の屋敷が燃えた日の夜。
エリーは屋敷から抜け出し、元老婆の家だった小屋へと入る。
そこには予想通り、少年のセカンドの姿があった。
エリーはクラウンとしての姿で尋ねる。
「どうなっている?アレは本当にお前たちがやったのか?」
「違う。貴族の屋敷に火を付けたのは、俺たちとは関わりのない毒龍に反抗する勢力の1つだ」
セカンドはそう言って、今回の件の犯人である組織の資料を手渡してくる。
エリーはそれをとり、ざっと目を通した。
ーーよそ様の名前を使うなんて、迷惑な組織もあったモノね。
エリーはそう感想を抱きながら、資料をセカンドに返した。
「この組織、潰すか?」
セカンドは尋ねてくる。
その顔には明確な怒りがこもっており、セカンドとしては今すぐにも潰したいのだろうと言うことが分かった。
だが、エリーは首を振る。
なぜなら、もっと利用するべきだと思うからだ。
「必要ない。こいつらが勝手に暴れてくれれば、こちらが裏で動きやすくなるからな。我らの目的は、全ての闇を支配することなのだから」




