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悪役令嬢、え?クラウンがやったの?
「いやぁ。何もなくなってますわね」
「そうですねぇ」
エリーは馬車に揺られながら、メアリーと会話を交わす。
馬車の通る道の横は、黒い炭が落ちているだけだった。
「あぁ。でも、我が家はやられてないみたいで安心しましたわ」
エリーがそう言って目を向けた先には、燃えていない屋敷があった。
その中の1つがエリーの住む屋敷。
エリーの屋敷は燃えずに済んだのだ。
エリーは馬車から降り、屋敷へと入る。
屋敷に入ると、家族たちがいる。
だけでなく、見覚えのある貴族が数名いた。
ーーやはり、そうよね。
エリーには、それが予想できていた。
「あっ。エリー。無事だったんだね」
エリーを発見して、駆けよってくるバリアル。
エリーは、数度言葉を交わした後、バリアルに事情を尋ねた。
「何でも、クラウンとか言う犯罪者組織が貴族の家に火を付けたらしいんだ」




