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悪役令嬢、燃えるモノを遠くに見る
ーーまた、口喧嘩を誰かに仕掛けられたりするのかしら?
エリーは面倒に思いながら、あり得そうな事態を想像しておく。
そんな時。
「エリー様。あちら、火事でしょうか?」
メアリーが窓の外を見ながら言う。
エリーも窓に視線を移すと、
「……そうですわね。あれ、かなり大きくありませんこと?」
かなり大きな炎が見えた。
炎の位置からして、
「貴族街に、見えるのですが」
貴族街。
エリーたちが住むような場所。
そんな場所に炎があるように見える。
エリーは、家族が大丈夫かと心配になった。
「確かに、貴族街に見えますね。ということは、私たちは……」
メアリーの目が死んだ。
エリーたちはその炎に向かっていると言うことなのだ。




