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悪役令嬢、去った後のことを知らない
「……それでは、私はこの辺りで失礼致しますわ。今日は楽しかったです。またお時間が合えばお呼び下さい」
エリーはそう言って、3人に見送られながら神殿から出て行く。
夕日に照らされる中、3人は部屋へと戻った。
「……エリー、指輪喜んでくれて良かったよ」
「そうだな。ただ、ちょっと反応がおかしかった気もするが」
「あれじゃない?2人のセンスがエリーとは合わなかったんじゃなぁい?やっぱり、僕が最初に選んだヤツが良かったんじゃないかなぁ。2人とも、エリーのことよく分かってなさそうだし」
「「何だと!」」
3人はにらみ合った。
今にも喧嘩が起こりそうである。
3人は思想が似ているところもあり、特定の話をしていない時はとても仲が良い。
ただ、彼らが集まる理由は、思想が似ていることだけが理由ではない。
「エリーのことを1番理解しているのは僕だ。それを譲る気はないよ」
「「いやいや。僕の方が分かってるから」」
彼らのもう1つの共通点。
それは、エリーに特定の感情を抱いていること。




