407/3881
悪役令嬢、インク消しが売れ
「インク消し、売り切れです!!」
「「「えぇぇぇ!!!!」」」
売り切れの言葉を従業員が叫ぶ。
それを聞いた客たちは、驚きと落胆の困った声を上げた。
その様子を、エリーとファララは静かに眺めていた。
2人は10分ほど無言でいたが、その沈黙をファララが破った。
「すさまじい売れ行きですな。さすがはエリー様です」
「ありがとうございますわ。ただ、流石にここまで売れ行きが良いとは思いませんでした。完売になるのは、もう少し先だと思っていたのですが」
「うぅむ。意外と、字を間違って書いてしまうモノは多いのかも知れませんな」
2人ともそれぞれの感想を言う。
そうしている間にも、
「あっ。売り切れてる!」」
「店員さん!!インク消し、もうないんですかぁ!?」
インク消しを求めるモノたちが続々とやってきていた。
そんなモノたちに、店員が売り切れだと伝えていく。




