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悪役令嬢、帰りは馬車です。……え?暗殺は?
「それじゃあ、馬車に乗って帰るぞ」
「はい。分かりましたわ」
父親の呼びかけにエリーは返事をして、馬車まで向かう、
そのまま、帰路へ就いた。
(………あれ?馬車?帰りも船に乗せて暗殺をするとか、そういうのは?)
エリーは暗殺が来ないことに首をかしげる。
そして、相手の方の事情を考え、
(そうか!パーティーでは、私のナイフ投げが面倒だった。だから、こういう馬車みたいな狭い場所で飛び道具の利点を潰しに来たのね!しかも、馬車なら油断してしまう!!)
エリーは深い考察をして、警戒した。
勿論結果は、
「よし!到着だね。久々の遠出で疲れちゃったよ」
バリアルの疲れたような声が馬車に響く。
エリーはその様子をうつろな目で見て、
「………おかしい」
「ん?どうしたんだい?エリー」
「い、いや。何でもございませんわ」
何も問題なく帰り着いてしまった。
襲撃など無かったのだ。




