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悪役令嬢、魔力狂いと出会う
「ぐううううぅぅう!!!」
唸るような声。
エリーが声の方を向くと、
「あら?かなり悲惨ね」
エリーは見たモノに哀れみを抱いた。
全身がただれ、下半身は見る影も無い状態。
手は鎖でつながれており、壁につるされている。
「あなた、大丈夫?」
エリーは心配して近づく。
肩に触れ顔を覗き込もうとしたところで、
「ぐあぁぁぁぁ!!!!」
「っ!?魔力狂い!?」
傷だらけの生物は、それでもエリーに噛みつこうとしてきた。
エリーは難なく避けることができたが、その生物の存在に驚く。
魔力狂い。
それは、自分の器に合わない大量の魔力を吸収してしまった生物が陥る姿。
戦闘力が高いが、知能が無いため、発見され次第即刻殺すことが法律で決められている。
そんな存在が、拘束されているのだ。




