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悪役令嬢、気安い関係
クレアは婚約を受け入れたと言って良い。
そんな状況なのだから、貴族たちも驚きやら祝福やら様々なことに頭が言ってざわめく。
そうしていると、
「随分と平民の癖に出世したもんだな」
「ですわね」
「……てか、そのしゃべり方変だよな」
「いや、私幼少期からこのしゃべり方でしてよ!?」
セカンドと話をすることになる。
そのやり取りの気軽さに、周囲もまた驚く。
誰もセカンドの姿は見たことがないのだから。
「いや、昔からそれでも素はそれじゃないだろ」
「それはそうだけど、一応形ってものがあるのよ」
クレアは口調を崩す。
あまりにも気安い関係。
周囲にはさながら、婚約者を申し込んだ者たち以上に恋人にふさわしいように見えた。




