3854/3881
悪役令嬢、本来の貴族
エリーは捨てるため。
勢いに任せる。
周囲からは必要のない勢いのように思えたが、
「国のために働くなら、我が家にとってきっと優遇があるはず」
「ふむ。それはそうかもしれないわね」
「将来のことを考えれば、魔族と戦うために今の構造は壊すべきではない」
「そう?でも、それで自分を犠牲にする?」
国のため。
自分を犠牲にするのか。
それが前の世界の意識が強いカヤにとっては疑問だった。
「それが、貴族というものですわ」
「貴族?」
貴族という文句。
それは全く理解できないこと。
だが本来貴族とは、そうあるべきものだったはずなのだ。




