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悪役令嬢、地位はいらない?
エリーは条件を詰めていく。
それを誰も邪魔できない。
そんな状況で、
「あんた、地位いらないわけ?」
「ん?地位って、私が渡そうとしているもののことですの?」
「そうよ」
「……いらないとは言いませんわ」
エリーは首を振る。
何かとこの地位というのも便利だ。
そして、この地位であるからこそ友人でいられる存在もいるし、
「私だって、家族と別れるのはつらいですわ」
「そうよね」
「だから、ここで勢いに任せてしまう必要があるんですわ」
勢い。
それは、そのあと踏み出せそうにないなら必要になってくるもの。




