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悪役令嬢、こちらからの条件
今の流れなら断っていい。
だが、将来をのことを考えれば断らない方が家のためになる。
それは間違いないように思えた。
「……ふむ。こちらからもそれを受け入れるには条件がありますわ」
「何?」
「まず、私が今までお忍びなどで使っていた平民としての身分は残させてもらいますわ」
「……うん。かまわないわよ」
エリーからの条件。
何かしら来るのは分かっていたようで、驚きは少ない。
示された条件も少し悩むことはあるが、
「次にその平民として持っている財産などは……」
「それも構わない。けど、貴族の今から平民としての立場に財産を移すことは許さない」
「それで構いませんわ」
すんなりと進む。
まるで、エリーという存在の交代が本当に起こるかのようだった




