3834/3881
悪役令嬢、卒業まで
クレアという存在。
それはあくまでも学校用の存在だ。
卒業すればそのかりそめの姿はなくなる。
「卒業まで、あと2年」
「そうだね~。まあ、まだ今年度が終わってないから正確には数か月残ってるけど」
「それもそうね」
「でも、急にどうしたの?」
クレアのつぶやきに不思議そうな表情が。
友人たちは分かっていないのだ。
クレアという存在が消えることを。
「何でもないわ。ただ、将来のことを考えてちょっとね」
「あぁ。それもそうだね」
「将来、か」
卒業すれば。
働くことになる。




