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悪役令嬢、釣り合うのは
アンナリムは闇の精霊を従えた。
これだけでかなりの実績になる。
だが、これと釣り合うのが難しくなり、
「闇の精霊を倒す実力というのが必要だった、だね」
「少し違うわ。倒したという実績が必要だったのよ」
「………なるほど、実力は元々ないからね」
「まあ、隠さずに言えばそうね」
クレアはうなずく。
ハイロラにそんな実力はない。
だが、
「でも、今の立場なら結果さえあればいいのよ」
「っ!それもそうか……」
今の立場。
それは、
「ファララ商会の次期会長。それが実績までぶら下げたら、釣り合わないわけがないのよ」




