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悪役令嬢、今回は諦め

「……はぁ。仕方ないわね」


クレアはため息をつく。

それを聞いた友人たちの視線が集まった。


闇の精霊を恐る恐るといった様子で視線を向け、


『し、仕方ない、というのは?』


「今回は見逃すっていうことよ」


『ほ、本当か!?』


「ええ。本当よ」


クレアはうなずく。

これには闇の精霊も友人たちも顔を輝かせた。


が、当然そんなに簡単な話になるわけはなく。


「もちろん条件付きよ」


「だよねぇ……」


条件。

それが来ることは予想できることだった。

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