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悪役令嬢、隙を探って
「何のつもりだ!」
「貴様ら、こんなことをしてただで済むと思っているのか!」
貴族たちは、黒ずくめたちに抗議の声を上げる。
脅すよう言葉をかけるモノもいたが、黒ずくめたちは無反応だった。
ーーまあ、バックに公爵家がいるわけだし。下の方の貴族とかどうでも良いわよねぇ。
エリーは、男女で別れさせられた会場内で思う。
「うるさいな。1人ぐらい片付けて黙らせるか」
「っ!?」
黒ずくめの1人が剣を抜く。
それで、貴族たちは顔を青くした。
その表情を見て気分を良くしたのか、軽い足取りでそのまま貴族に近づいていく。
そこで、黒ずくめたちの視線が男性側に移った。
ーー今!チャンスね!!
エリーは音を立てないようにしながら直線的に駆け出す。
走りながらエリーはスカートの中のナイフを抜き、近くの黒ずくめに突き刺した。
初撃は、走りながら空振りさせておくのを忘れない。
ブシュッ!




