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悪役令嬢、どれだけ勝てなくても
ハイロラも。
アンナリムも。
自分の実力では勝てない相手が、近くにいる。
「でも、だからどうしたの?」
「………」
「クレアに勝てなくたって、僕は君のことが好きなんだよ」
「………」
だからこそ知っている。
勝てなくたってそこに存在している魅力を。
そして知っている。
「クレアを超えようと裏で努力したのは、知ってるよ」
「っ!」
勝てなくても。
努力をしていたことを。
何度負けても耐えて立ち上がろうとするその心は、間違いなく素晴らしいといえるものだった。
新作
『悪役令嬢はさすがに無理がありませんこと?』
を投稿しました。よろしくお願いします。




