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悪役令嬢、1番でなくても
1番でないならいらないだろう。
闇の精霊はそうささやく。
が、
「わ、私は………」
『な、なんじゃ?迷っておるのか!?』
「アンナリム。君が幸せなら、僕を突き放したっていいんだよ」
「私は………」
ハイロラは強く言い寄ったりはしない。
ただ後ろから抱きしめ、彼女に愛をささやくだけ。
判断すはすべて、
「君が好きにすればいい」
「私は、私は………」
アンナリムが行う。
このアンナリムの判断に、すべてがかかっているといっても過言ではない。
クレアはその光景を、真面目な表情で眺めていた。




