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悪役令嬢、わざと勝たない

アンナリムは怖がっている。

ここでできることは1つくらいだった。


クレアがコインを投げ、


「ほら。表よ」


「いやいやいや、………え?」


「今あなたが裏を出せば、勝てるかもしれないわね」


「っ!?」


わざと負ける。

もしくは負けなくても、勝たない。


これくらいしか手は残されていない。


「か、勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ!!!」


「………急に元気になたわね」


世話が焼ける。

クレアの気持ちはそういった感じだ。


アンナリムが、コインを投げる。

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