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悪役令嬢、他人事のように
アンナリムと闇の精霊。
言い争っているわけだが、まだ時間的猶予はある。
という風にクレアは見せている。
「ク、クレアちゃん」
「どうしたの?」
「な、なにするつもり?」
「さぁ?何かしらね」
アンナリムの質問に肩をすくめて応える。
クレアはできるだけ向こうに警戒させるように動いた。
それは勿論、時間稼ぎ。
「逆に、何をすると思ってるのかしら?」
「じ、自爆みたいな?」
「あら。そうなの。怖いわね」
まるで他人事のように。
クレアは魔力を操りながら答える。




