3733/3881
悪役令嬢、逃げられなく
自分を犠牲にしてでも、
クレアはアンナリムを止めようとしてる。
そう認識しても、
「ど、どうすればいいの!?」
『だから、逃げればいいじゃろ!』
「逃げる?逃げるって何!私にあきらめろっていうの!」
『お、おい!?』
アンナリムは逃げられない。
なにせ、闇の精霊がそそのかしたのだから。
クレアは笑い、
「闇の精霊。あなたがアンナリムの感情を増幅させたせいで、逃げることに忌避感を抱くようになったのよ」
『な、なんじゃと!?』
これは想定外だった。
闇の精霊は、焦りを募らせる。
その様子を、クレアは黒い笑みを浮かべて眺めていた。




