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悪役令嬢、呼んできて
自分ではどうしようもできない。
クレアはそう考えた。
だから、別のものに頼る。
「ガガーラナ。少しお願いできるかしら?」
「なんだ?」
「彼を呼んできて」
「彼?ってまさか、あいつか?」
「そう。その通りよ。こうなったらもうそうするしかないわ」
手がないわけではない。
ほぼかけだが、そうするしかないのだ。
これが失敗した場合は、クレアが少し本気を出す必要が出てしまう。
「じゃあ、行ってくる」
「頑張って」
そこまでどうにか抑える。
クレアはそう決めていた。




