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悪役令嬢、心が強制的に
「違う!」
アンナリムは叫ぶ。
クレアの言葉を聞きたくないと首を振る。
それほどまでにそれは彼女にとって、
「聞きたくないならそれでいいわ。ただ、あなたの怒る要素のほとんどは筋違いだってわかったわよね?」
「うっ!」
「なら、落ち着きなさい」
「わ、私は………」
アンナリムの瞳を見据える。
彼女の心では葛藤があった。
ここで納めるか、それとも、
『だめじゃ!そんなこと許すわけがなかろう!』
だが、葛藤は止まる。
なぜなら、彼女の心の奥底が震えたから。
強制的に。




