3717/3881
悪役令嬢、どれほど無駄なことか
「リム。目をそらしすぎよ」
「っ!?」
クレアはきっぱりと言い切った。
アンナリムは反論の言葉を探す。
だが、ここでクレアは畳みかけた。
「あなたが求めてるのは、私にただ勝つことではなく、私の土俵で勝つことよ」
「そ、そんなことは」
「いえ。間違いなくそうよ。そしてそれは、あなたでなくてもほとんどだれもできないことよ」
「そ、そんなことは」
「そんなことはあるわ」
クレアは言い切る。
彼女には自信があるのだ。
負けないという自信が。
「リム。今のあなたは、絶対に手に入らない何かをつかもうと無駄にもがいているだけよ。行動しないのにそこでもがくなんて、どれだけ無駄なことか理解しているのかしら?」




