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悪役令嬢、目をそらし過ぎ
人をくっつける。
クレアにはできないことだ。
それにアンナリムは意味などないというが、
「その子たちからすれば、私よりもアンナリムの方に好意を向けるんじゃない?」
「そんなことされても私は」
「でも、そこで私に勝ってるじゃない」
「っ!………そ、それは」
勝っている。
クレアにとっては、間違いなく勝利しているように思えた。
だが、アンナリムは、
「そんなところ、勝つかなんてどうでもいいんだよ」
どうでもいい。
そう切り捨てた。
勝てないと騒いでいたというのに。
「リム。目をそらしすぎよ」




