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悪役令嬢、それでも叫ぶ
少しでも寄り添うように。
しかし、それはほとんど無意味である。
なにせ、
「うるさいっ!うるさあああぁぁぁぁい!!!」
「どうしたの?リム」
「クレアちゃんは、クレアちゃんはごまかしてるだけ!」
「何を?」
「私が、おまけだってことをぉぉ!!!!」
空気が震える。
それほどまでに、アンナリムの叫びは強いものだった。
ただ、クレアは表情1つ変えずそれを受け止める。
「まだ、そんなこと言ってるの?」
「そうだよ!クレアちゃんが私のことを見てても、他には誰も見てくれないんだよ!!!」
それは、決してクレアが悪いとは言えないことだ。
だが、アンナリムはそれでも叫ぶ。




