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悪役令嬢、引きずりこむように
クレアは示す。
嘘とまではいわないまでも、本当でないことを織り交ぜつつ、
そうしていけば、
「う、うそ、クレアちゃんは、私のことなんて………」
「ちゃんと友達だと思ってるわよ」
「でも、でも………」
「友達だから、マチガッテタラトメナキャいけない。そうでしょう?」
クレアは見据える。
アンナリムの目を。
その目はどこまでも慈悲深くそして、
「そ、そうなの?私、まだ」
「大丈夫よ。まだやり直せるわ」
どこまでも、深い闇のようなものだった。
クレアは手を差し出す。
闇へと引きずりこむように。




