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悪役令嬢、欲が強い
ガガーラナを渡せばよかった。
それで済んだのだ。
だが、クレアはそれをしなかった。
「リム。あなたはそれでいいの?」
「それで良い。それで良いよ!ガガーラナ君が私のものになるなら!!」
「手に入るのは、あなたの求めるガガーラナではないとしても?」
「それは………」
アンナリムは一瞬押し黙る。
先ほどまでのアンナリムなら、これで押し切れたはずだ。
が、
「それでも、それでもかまわない!手に入れさえするなら!!」
「………………そう」
今のアンナリムは違う。
彼女は今、闇の精霊に取り憑かれているのだ。
そのよくは、今までと比べ物にならないほどに強い。




