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悪役令嬢、それで丸く収まる
アンナリムの叫び。
ガガーラナは、クレアばかり見ている。
そういうものだった。
「いっつも、いっつもそう!心配されて期待されるのはクレアちゃんで、私はおまけ!」
「そんな風に思ってたのね」
「クレアちゃんも、いらないのなら私にくれたらいいのに!なんで私にくれないの!?」
「いらないって。物じゃないんだから」
クレアは笑う。
だが、その目はしっかりとアンナリムをとらえていた。
アンナリムは、叫び続ける。
「恋愛感情はたいしてないんでしょ?じゃあ、なんでガガーラナ君を私にくれないの!」
「さっきも言ったけど、物じゃないんだから」
クレアは確かに恋愛感情をあまり持ってはいない。
なら、アンナリムにあげてしまえば。
それで丸く収まったのだ。




