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悪役令嬢、今しかない
今年にする予定ではあった。
それは間違いない。
だからこそ、
「リムが今限界を迎えてるのも計画通りではあるのよ」
「そうなんスか?」
「ええ。そうよ」
「じゃ、じゃあ、何か作戦があったりとか?」
ギービーが期待したような目線を向けてくる。
だが、クレアは無言で目をそらした。
そこでギービーは、
「あぁ、何も考えてなかったんスね」
「というより、最悪な状況にならないためには今年しかなかったのよ」
最悪な状況。
それは、カヤが野放しになっている状態でアンナリムが暴走すること。
カヤが謹慎処分を受けている今しかないのだ。




