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悪役令嬢、力を知らない
槍が解放される。
それは情人では成し遂げられないこと。
そして、
「むぅ。鎖がないと、これほどか」
「な、なんだ!?ダメなのか!?」
「いや、案ずルナ。制御はできている」
「そ、そうなのか?」
「うむ。貴様もこの槍の力を感じてはいないだろう?」
「そ、それは………」
貴族は言葉を苦らせる。
貴族には分からないのだろう。
なにせ、力というものが分からないのだから。
「少し体感してみるか?」
「あ、危なくはないのか?」
「さてな。せいぜい気絶する程度だとは思うが」




