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悪役令嬢、ムラのない魔力で
クレアは訓練内容を変える。
今までは、ただ魔力を扱う範囲を広げていた。
だが、一旦そこまでで範囲を広げるのはやめ、
「今度は、この中の魔力を一定に」
新しい作業を始める。
広げた広大な空間の中の魔力を、できるだけ一定に保つ。
空気も生物も関係なく、その魔力を均等に……
「「「「グオオオオォォォォォォ!!???????」」」」
「ふむ。生物には死が訪れるか」
「「「「ガ、ガァ……」」」」
「だが、それもまた我の求める力には必要なこと」
魔力を均等にされると、体内に魔力を保有する生物はそれを周囲に広げられて命を失う。
クレアの扱う空間内で、すでにクレア以外に生きる命は存在し得なかった。
それでも彼女は魔力を均等にしていき、
「ムラのないように……乱れなく完全に均等な魔力を……」




