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悪役令嬢、消し飛ぶ可能性すら
あまりにも別格な槍。
それは、クレアの召喚した武器と同格なのではないかと思えるほど。
いや、もしかすると、
「それ以上かもしれんな」
「な、何がだ?」
「我の中の基準だ」
「はぁ?」
クレアの呟きを貴族は理解できない。
だが、クレアはそんなことどうでも良かった。
それよりも、
「下手に触れないな」
「さ、先程触っていたではないか」
「アレは本当に触れているだけだ。もしこれを鎖から解き放てば……」
クレアでは持つこともできない。
最悪、消し飛ぶ可能性すらある。




