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悪役令嬢、メイドにお話しする
コンコン。
「エリー様」
夜。
エリーの部屋の扉がノックされる。
「どうぞ」
「失礼致します」
エリーが入室を許可すると、メアリーが入ってきた。
その顔には、どこか焦ったような表情が浮かんでいる。
「単刀直入に言うわ。メアリー。あなた、お兄様とアシルドに変な気を持ってるわね」
「そ、そそそそ、そのようなことはぁ!」
エリーは世間話を挟むことなく、最初から本題に入った。
メアリーは焦る。
ーーメアリーって、ショタコンなのか、ショタ同士のそういうのが好きなのか分からないけど、捕まりそうな趣味してるわよねぇ。
エリーは心の中で若干呆れながらも、その目はかなり優しいものになっていた。
「そんなことはあります」
エリーの優しい目に、メアリーはあっさりと敗北した。




