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悪役令嬢、家主の声など
クレアの耳。
そこには、うなり声が届いてきた。
まだクレアは地下に入っていないというのに。
「……ふむ。行くか」
「お、おい!待て!それ以上は、」
「……こうか」
「あぁ!?ひ、開いた!開いたなぁ!?」
主人だと思われる貴族。
そんな存在の驚く声を無視し、クレアは地下へと進む。
幸いなことに道は長いだけで迷うこともない。
クレアの移動速度ならすぐに、
「うるさいのはお前か」
「グルルルルウッ!ガアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!」
咆哮。
たったそれだけで、ビリビリと空気が震える。
常人にとってはあり得ないほどの強大な力を持つ存在がそこにはいた。




