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悪役令嬢、いくら優秀だとしても
胸にナイフが突き立ったリブコールのものたち。
そんな彼らを見たクレアが思うことは1つ。
ーー私、手加減が上手くなったわねぇ。
「……クソッ!心臓まで刺さってる!」
「ぐぅぅぅ!!!!!」
「無理に動けば、やつに触れることもできずに死ぬか」
「だが、時間をかけても死ぬだろ」
リブコールのものたちは、そこそこ優秀のようだった。
自分たちの傷から、もう命を失うのは理解したのだ。
それでも、その命を有効に使う方法を考えている。
「……ちっ。俺たちには目をくれず、財宝の回収かよ」
「完全に見下されているな」
ただ、いくら優秀な彼らでもクレアには遠く及ばない。
油断はしないが、クレアは財宝の回収を再開した。
ーー今必要なものも、幾つかはあるわね。




