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悪役令嬢、人々の中の貴族は
クレアは語る。
彼女とて、彼らの行いに共感するところはあるのだから。
だからこそ、簡単に殺したりはしない。
「貴族を殺すってのは、短期的に見れば良い方法だ」
「……じゃあ、長期的には駄目なのか」
「当たり前だ」
「……そうか」
彼らは考え始める。
何が駄目だったのか、と。
どうして奪うだけでは、殺すだけでは解決できないのか、と。
「お前達は、貴族の仕事を理解していないのか?」
「貴族の仕事?そんなの、税金を取って贅沢に暮らすだけだろ」
義賊の1人がそんなことまで言っている。
クレアは流石に苦笑した。
当たり前ではあるのだが、あまりにも彼らの中の貴族という存在がひどいものなのだから。




