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悪役令嬢、剣術をみせる
午後になって。
「はぁ!!」
「しっ!」
キンッ!
金属がぶつかり合う。
エリーは現在、バリアルと共に剣の練習を行っていた。
そしてそれを、アシルドはじっと眺めている。
「どうですかな?剣術を間近で見るのは初めてでしょう」
「っ!」
2人を見て固まっているアシルドに、剣術を教えているヒューズールが声をかける。
完全に見入っていたようで、アシルドは肩をふるわせて驚いた。
「え、ええ。そうですね。エリーさ、じゃない。お姉ちゃんも剣をするのは驚きです」
アシルドにお言葉に、ヒューズールは目を細めて微笑む。
その言葉が、ヒューズールが予想したとおりの言葉だったため、ヒューズールは、その言葉に聞いていた答えを告げる。
「そうですね。ですが、予想外だからこそ、エリー様を誰も警戒せず、次期当主であられるバリアル様の護衛にぴったりだとか」




