悪役令嬢、夢を語る
「今日は沢山遊んで疲れたでしょう、シッカリお休みなさい」
「はぁ~い!」
エリーは母親の言葉に返事をして、ベッドに入る。
しばらく寝たふりをしていると、母親は部屋から居なくなった。
「、、、いきましょうか」
エリーは音を立てずに立ち上がり、夜の世界へと駆けだした。
昨日よりも早く、まっすぐに目的地へと向かう。
「こんばんは!」
昨日より30分ほど早く着いた。
コレなら、昨日とは違って余裕を持って帰ることができるはずだ。
「おう。来たのかい。仲間になるって事の詳しいことを話し合うんだったかしらねぇ?」
「そうよ。それじゃあ、私のやりたいことについて話すわね」
エリーは自分の夢を語った。
それはもう、妄想を超えた妄想を語りまくったのだ。
聞いている老婆の顔もかなり歪んできている。
ーーあ、あれ?調子に乗ってバカなことを言い過ぎちゃったかしら?
「……なるほどねぇ。あんたは、『火傷蜥蜴』に対抗できる組織を作ろうって思ってるのかい」
老婆は顔をゆがめながらも、そう呟いた。
ーーああ。優しいわね、おばあちゃん。中二病的な要素に頑張って付き合ってくれてるのね。なら、もう少しだけ甘えましょう。
「違うわ。全ての闇を支配できる組織を作るのよ」




