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悪役令嬢、知らない場所での油断
クレアは、気付いていないことがあった。
それは、カヤに気を取られた結果。
そして、安心から来る油断。
「ガガーラナ君!付き合ってください!」
「……ごめん」
「…………やっぱり、そうなの?」
「ああ。悪い」
「私じゃ、クレアちゃんには勝てないんだね……」
ガガーラナへ告げられた思い。
しかし、それは受け入れられることはない。
なぜなら彼もまた、クレアという存在へ思いを寄せているのだから。
「俺がそうだっただけだ。お前をクレア以上だと主人間が、きっとどこかにいる……」
「そんなきれい事言われて、余計に苦しいだけだよ!」
彼女は走り去る。、
ガガーラナは、難しい顔でその背を眺めることしかできなかった。




