3487/3881
悪役令嬢、つなぎ止められる
カヤは、優秀である。
普段がポンコツ過ぎるだけで、その中身は天才なのだ。
それも、
「教会を黒字にさせ続けるくらいには、ね」
「そうです。ですから、その黒字を更に大きくしたいと思いまして」
「そこで私に協力して欲しい、と」
「はい。師匠にも少なくない金額が入るはずです」
「……なるほど」
評判の落ちた教会を傾かせない。
勿論裏でイルデが色々やっているのだが、表面的な利益を生み出すことをカヤは非常に上手くやっている。
そして今その利益を使って、クレアを勧誘しようとしていた。
「……まあ、私が少し関わるような内容のものをしようかしら」
「本当ですか!」
カヤは顔を輝かせる。
クレアが、敵に回らないような素振りを魅せたのだから。




