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悪役令嬢、人間ができないことも
呪いではなく加護。
だが、加護が悪いわけではない。
加護は実際使えるものであり、
「『右腕』。これは分かるか?」
「ん?……ん~。これは勤勉の加護ね」
「効果は?」
「努力をすればあらゆることが可能になるわ」
「……ほぅ?」
努力をすれば、というのが気になる。
努力をして力をつけることができるのは、何だって同じだろう。
だが、わざわざそれが加護であると言うことは、
「人間ができないこともできるようになるわよ」
「人間が、できないこと」
エリーが呟く。
その様子を『右腕』は怪しい笑みを浮かべながら眺めていた。




